日経ネット 商品コラム・価格は語る
包装用紙に値上げの後遺症
商品部・石原恭子(7月7日)
包装用紙で製紙と需要家との価格交渉に、昨秋の値上げの影響が尾を引いている。原燃料コストの低下で、製紙側が一部値下げに応じたが、昨秋値上げを強行した製紙に対する需要家側の不信感は根強い。需要家との関係修復を目指す製紙が、さらに一段の値下げに踏み切るのでは、との観測も流れている。
包装用紙の代表品種が、合成樹脂やセメント、コメなどを入れる重袋用両ざらクラフト紙。昨秋、1キロ13~15円(約10%)の値上げに製紙が踏み切り、需要家である製袋会社からの激しい反発を買った。景気の急速な悪化で、製袋会社が石油化学会社やセメント会社などの需要家に対し、原紙値上げを袋価格に転嫁することが困難とみられたからだ。
国内製紙は、昨秋の値上げで最終的に「新値でなければ出荷できない」との強行姿勢で、満額の値上げを取りきった。製紙にとっては、他の品種でも強い態度で要求通りの値上げを実施しており、包装用紙についても同様の態度に終始した形だ。しかし、製袋会社の一部は、「国内製紙会社の横暴だ」と怒り、輸入紙の調達に動いた。
過去にもクラフト紙の値上げはあったが、需要家である製袋会社は、そのたびに、原紙値上げをテコに製品価格の引き上げに動いてきた。原紙価格をまず製紙が上げ、製袋会社の製品価格の引き上げを後押しするような形で、製紙も製袋会社も利益を得てきた面がある。しかし、昨秋は深刻な需要減に直面した製袋会社が製品値上げをあきらめたなかで、製紙が値上げを強行し、製紙と製袋会社の関係がこじれる形となった。
「製紙の製袋会社に対する根回しが足りず、昨秋の値上げは失敗だった」(代理店)との声ももれる。
昨秋以降、石油化学製品の大規模な減産などで重袋用クラフト紙も国内出荷は3割近く落ち込んだ。国内製紙への反発から輸入紙の取り扱いを増やす動きが出たことも、国内の需要不振に追い打ちをかけている。
製紙側は原燃料コストの低下で春から1キロ3~5円の価格引き下げに踏み切った。しかし、「昨秋値上げ分を全額返すぐらいでないと、これじた需要家との関係修復ははかれないのでは」(代理店)との声もある。需要が大幅に落ち込むなか、製紙側が販売数量の確保を目指せば、一段と市況が下がる可能性もある。
このコラムにある通り、包装用紙の国内出荷量は、対前年比72.6%と大幅に減少しています。しかし輸入紙は対前年比255.9%と大きく増加しています。
これは同じく昨年大幅な値上げを断行されたコート・マット紙などの塗工紙も全く同じです。
塗工紙では包装用紙より更に悪く、国内出荷量が対前年比68.9%、それに反し輸入紙331.1%と大幅な増加です。
これまでの一連の『紙』の大幅な需要減は製紙メーカーの市場を無視した
『プロダクトアウト』な考え方によるところが大きいと思います。
これが変わらなければ、ますます、輸入紙の市場は広がっていくと思います。
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